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■ マイコムではかつて、東京工業大学の博士(工学)でもある社長(湯場崎直養)による週初めの、月曜日の朝礼では全社員向けに、一致項、近似項、そして印象項といった共通項(共通意識)による「見えないものを見えるようにする」「聞こえないものを聞こえるようにする」といった週替りの創造概念(マイコムでは「空創」という)が説かれ、また技術系社員による創造)訓練の一環として、毎週金曜日の午後に自由時間が設けられ、本業とはかけ離れたテーマによる実験や試作に当ってきました。そうした中、私達社員はこれまでの技術や技能から科学的知識が育むようなテーマを選んで超践〔超越した実践〕を行ってまいりました。

■ 今回紹介します「植物電池」は、「植物の成長から発電できないか」といった空創テーマが掲げられ、社員達は、「いつもの社長の無理な仕掛け」と疑いながらも試行錯誤を始めました。当初は果実が電解質になるものと捉え100円ライターサイズの果実電池を試作していたのですが、これであれば中学校の理科の実験に過ぎなく、果実に替わる電解質に関心が移り始め、また別途紹介予定の身近な生活材料を用いた「化学電池」の試作に至りました。こうした中、植物電池の空創が自然消滅するのではないか、と考えた社員達は果実から樹脂に目を向けたものがこの植物電池です。しかし、このような植物電池の起電力は微少ではありますが太陽光を照射することや枝に水分を散布することで起電力は上昇し始め、既存技術の昇圧回路や色々なアシストを工夫することで、LEDランタンを点灯させ本も読めるまでに至りました。しかも太陽光の無い夜間でも発電ができること、充電も可能なことから全天候型の再生可能な発電システムになる日も秒読みの段階となりました。

■ この植物電池単独では、起電力は微小であるが昼夜を問わず発電し続ける事と、太陽電池単独では昼間は発電するが夜間はほぼ発電できない事を考え、植物電池と太陽電池の融合により各々の短所を補える効率的な発電システムができたことになります。しかし、このような成果を感じながらも技術系社員達は一服することができません。社長から最近、ともに電磁波である太陽光と電波は一致的な共通概念があり、太陽光の替わりとして「アンテナから電波(ラジオ波)を受信し、その信号を植物に照射することで発電が可能となるのではないか」といった「電波発電」といった空創テーマが掲げられています。マイコムの空創は絶えません。社長にいたっては、高校の電気通信科、大学の通信工学科で電波通信について習っていた生徒・学生時代に「信号伝播の電波通信の仕組みをエネルギー伝播に使えないか」といった素朴な創造の継続と聞き、驚きです。

 なお、今回ご紹介する植物電池のシステムは弊社VEST研究所(京都市西京区)にて常設展示しておりますので、ご覧頂く事も可能です。


<植物電池 発電回路ブロック図>

<全体写真>



<A:植物電池>
 ガジュマルとアロエ(直列接続)からの得られる電圧を測定(写真1)
 得られた電圧テスターで計測した値は1.36V(写真2)
 
「写真2」
「写真1」

<B:太陽パネル>
 太陽パネル(室内:蛍光灯や太陽光)から得られる電圧を測定(写真3:左)
 得られた電圧をテスターで計測した値は4.71V(写真3:右)

「写真3」

 太陽パネルに蛍光スタンドの光を与えることで電圧値が6.94Vに増加(写真4)
「写真4」

<C:発電用手回しステッピングモータ>
 ステッピングモータを回すこと(10回転程度)により発電させ、昇圧後の電圧を増加することができます。

「写真5」
「写真6」

■LED点灯■
 A〜Cの総電圧を用いて、LEDランタンを点灯させることができます。(写真7、8)
 省電力回路により消費電力を抑えることができます。

「写真7、8」(写真上下)

■携帯電話充電■
 A〜Cの総電圧を用いて、携帯を充電することができます。(写真9)

「写真9」